別々に釣り上げた素人男女が車の中で御対面5

車内という閉ざされた空間で、初対面の男女が静かな緊張を共有する――。シリーズ通して特徴的なこの“即席密室”の構図は、本作でも健在だ。視線の探り合いや間の取り方から生まれるリアルなぎこちなさが、素人ナンパ企画の臨場感を支えている。口コミにも「本当に初対面のような空気がある」との意見が見られ、編集部としてもその“はじまりの空気”の再現度に注目したい。車という日常の延長線上で繰り広げられるドキュメンタリータッチの演出が、シリーズの基調を丁寧に継承している。

登場する女性陣は、レーベル恒例の「レベルの高い素人」路線を踏襲。特に注目は現役音大生のお嬢様タイプで、インテリジェンスを漂わせながらも、ナンパされる場面で見せる戸惑いが印象的だ。レビューでは「顔とスタイルがS級」と評価されており、透明感と高嶺感のバランスが際立つ。他の出演者もそれぞれ異なる雰囲気を持ち、やや控えめな受け答えや緊張した姿勢などが、いわゆる“素人感”の醍醐味を引き出している。コスチュームこそ日常的だが、その分リアルな質感が強く、見る者の現実感覚を刺激してくる。

プレイ面では、過度な演出や派手さよりも、男女の間に生まれる“間”のニュアンスを重視。触れそうで触れない手つき、呼吸の乱れ、沈黙の後に交わる視線など、微細な身体の揺らぎが心理の駆け引きとして機能している。レビューでも「少しワガママだけど品のある態度」と評される彼女の反応からは、羞恥と高揚が絶妙に入り混じる緊張感が伝わる。腰の動きや表情よりも、抑制の中で滲む感情の揺れ――その“寸止め”構成こそ、本作のフェチ的快感の中核と言えるだろう。

「ホットエンターテイメント」らしい観察的な撮影手法が、シリーズの真骨頂を支えている。〈別々に釣り上げた素人男女〉という発想自体、リアルドキュメント系の到達点に近い構築であり、企画AVとしての完成度は高い。派手なカット割りを排し、素人の反応を生々しく活かす編集リズムは、甲斐正明監督らしい誠実なドキュメンタリー感覚。短い時間に凝縮された人間関係の“初動”観察として、同ジャンルを見慣れた視聴者にも新鮮味を感じさせる一作である。